サッカーが大好きでW杯を見ている人、代表が好きでW杯は見る人、お祭り好きでW杯会場に足を運ぶ人、何となく乗っかっとけって感じの人、アンチサッカーで絶対に試合を見ない人・・・
この3週間でいろいろなW杯の盛り上がり方を見てきました。

ヨーロッパのサッカーは、欧州杯やW杯になるとやはり「国vs国」のぶつかり合い。
フーリガン同士の乱闘をはじめ、至るところで「いじくりあい」が行われています。

例えばこの歌:
♪Schade Holland, alles ist vorbei! Ohne Holland fahren wir zur WM♪
(オランダ残念!終わっちゃったね!オランダ抜きでW杯行ってくるよ!)
4年前の日韓共催W杯に出場を逃したオランダに向かって、ドイツ人がこの歌を繰り返し歌っていました。
私は4年前も8年前も偶然ドイツにいて、4年前に「そんなにいじくってるとオランダのフーリガンに刺されるぞ」と内心オドオドしたのを覚えています。(8年前は周りの状況をつかむほどのドイツ語力がなかったため、試合を観たことしか覚えていません。はは。)

そして今回、出場を決めたオランダ人はこの歌の「オランダ抜き」の部分を「ベルギー抜き」「アイルランド抜き」に変えて歌っていたんですね。オランダ人ってたくましい!


さて、オランダがポルトガルに負けてからというもの、またこの歌が流行りだしました。
今度はOhne Holland fahren wir nach Berlin!(オランダ抜きで決勝行くぞ!)

そんな挑発して大丈夫なの・・・?サッカー絡むとホント仲悪くなるよね・・・と心配していたんですが、
ドイツに留まって「ドイツの」応援をしているオランダ人サポーターがたくさんいたり、オランダ人は相手にしていない模様。

それなのにドイツ人は何故歌い続けるのでしょう?
いつからこの歌があるんでしょう?
ドイツ人の友達に聞いたところ、これはオランダに対する「Hassliebe(ハスリーベ:好きなんだか嫌いなんだかよくわからない想い)」だそうです。「本当に嫌いだったら国名を口にするのも嫌だよ。気になるからいじくってるだけだよ」と。
・・・まるで好きな子にいたずらをする小学生のよう(笑)

さらに政治に詳しい友達にも話を聞いたところ、「戦時中3日でオランダをボロボロにしたドイツ第三帝国に対する恨みや嫌悪感が戦後オランダには蔓延していて、反対にドイツでも何かにつけて「ドイツよりもオランダの方が上」と主張するオランダ人に対して鼻持ちならないオランダ人、という嫌悪感が漂ってたんだ。敗戦国として「愛国心」を主張できないドイツ人が、当時唯一「ドイツ最高!」と叫べる舞台、それがサッカーで、「サッカーに関しては絶対にこっちが上!」という独蘭の主張がぶつかり合って、衝突が何度もあったんだよ。
ただ最近では、オランダ側にも「ドイツはもう昔のドイツではない」という意見が広がっていて、昔の名残でサッカーに関する言い合いはすれど、最後には肩を叩きあって「次は負けねーからな!」と言えるところまで関係の修復ができているんじゃないかな」とのこと。
本気で「あはは、ざまーみろオランダ!」と思ってる人間はこの歌は歌わないよ、と最後に教えてくれました。

こっちのサッカーはいろいろな歴史や政治や想いが絡んでいて、奥が深いです。