今日はちょっとコアな散歩道をご紹介します!
100年以上前、ベルリンにはシュプレー川と国防運河(Landwehrkanal)の間を結ぶ「ルイーゼンシュテティッシャー運河(Luisenstaedtischer Kanal)」という運河がありました。この運河はルイーゼンシュタットという地区(現在は存在せず)の重要な水路として機能していました。しかし現在、この運河はベルリン最長の散歩道へと生まれ変わろうとしているところなのです。最終的には2010年に完全な完成を見せるようですが、現在でも都会の喧騒を感じさせない静かで穏やかな散歩道、ほぼ完成しています。
まず左の地図をご覧ください。右斜め上の川がシュプレー川。そこからカーブを描いた道を通り、赤丸の印のついた広場を今度は左斜め下へと下るルートがこの旧運河散歩道です。
まず地下鉄U8:Heinrich-Heine-Str.で降り、シュプレーを目指して東へと向かうと、聖トーマス教会が見えてきます。聖トーマス教会といえば、ライプツィヒにある聖トーマスがバッハの教会として有名ですが、ベルリンの聖トーマスはガイドブックには載っていない、市民のための教会です。
1869年完成の後期古典様式で建てられたレンガの教会は第二次世界大戦中に大きな被害を受け、1956年~63年の間に修復されます。しかし修復時期にアスベストが使われていたために一時閉鎖を余儀なくされ、1999年にようやく修・改築を終えたばかりなのだそう。
すごく細部の彫刻が美しくて、近くからぐるっと一周して見てみたり、遠くから眺めてみたり、かなりの時間見とれてしまいました。

聖トーマス教会を後にし、カーブの道「天使の道(Engeldamm)」を聖ミヒャエル教会目指して歩いていきます。この天使の道、すでに完全に整備されていて、至る所にベンチがあり、区画ごとにテーマのある花や木が植えてあって、春先や夏に来ればすごく素敵だろうと思います。また花がいっぱいの時に行ってみよう!

これは天使の道にあるレンガの切妻屋根の家。この辺りはレンガ造りの家や教会が目立ちます。「ベルリン=ガラス(現近代建築)」だけではないんですよ!





さて、こちらが聖ミヒャエル教会。プロテスタントが多いベルリンでは珍しいカトリック教会です。1861年完成、第二次世界大戦中の爆撃により損壊、1946年~53年にかけて一部修復されました。1978年には文化財にも指定された、美しい教会です。

この美しいモザイクや大天使ミヒャエルの像はドイツ再統一後にようやく修復作業が始まります。ただこの教会の大部分を占める回廊には、未だに屋根がない状態が続いています。


ところで、この地区は非常に興味深い地区なのです。この地図、1902年当時の地図に手を加えたものなのですが(wikipedia.deより借用)、紫の矢印がこの聖ミヒャエル教会です。さて、赤い線は何を意味するのでしょうか?わかりますか?
これ、1961年構築のベルリンの壁なのです。ということで、最初の聖トーマス教会は壁を挟んで旧西側、聖ミヒャエル教会は旧東側に位置したことになります。
さらに、聖ミヒャエル教会の教区はこの壁により東西に分裂させられてしまったのです。中央北よりにある緑の点が、旧西側の聖ミヒャエル教区の活動拠点となりました。もちろん社会構造の全く違う東西で同様の活動ができるわけもなく、後に両教区とも他の教区と合併されてしまい、ほぼ別の道を歩くことを余儀なくされていくのです。現在、この聖ミヒャエル教会は(旧東側の合併先であった)ウンターデンリンデンのベーベル広場(フンボルト大学向かい)の聖ヘドヴィッグス大聖堂に属しています。
100年前は重要な役割を果たしていた運河が無用の長物となってしまった背景にも、やはりこの壁の存在があるのでしょうね。