ドイツのDuesseldorf(デュッセルドルフ)では、毎年イースターの時期にサッカーのU19国際トーナメントが開かれています。45回目を迎えるこの大会に、今年も世界各地から19歳以下のトップクラスのチームが参加しました。大会には毎年日本高校選抜(3月で高校を卒業した選手も含む)も招待されており、今年はそのほかにも、オランダのPSVアイントホーフェン、イタリアのユベントス、カメルーンU19が海外から参加しました。ドイツ国内からはバイエルン・ミュンヘン、ハンブルガーSV、ブレーメン、レバークーゼンといった強豪が顔をそろえました。地元デュッセルドルフからは、ドイツ3部リーグに所属するFortuna Duesseldorf(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)や B.V.デュッセルドルフが参加し、合計10チームで優勝が争われました。豪華な顔ぶれが集まるこの大会には、スカウトの眼も光っています。

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<日本高校選抜>

 参加10チームは5チームずつ2グループに振り分けられます。それぞれのグループが総当りで試合を行い、最終的に各グループの1,2位だけが準決勝に進むことができます。

グループ1:
日本高校選抜、PSVアイントホーフェン(オランダ)、ハンブルガーSV、ブレーメン、フォルトルナ・デュッセルドルフ

グループ2:
カメルーンU19、ユベントス(イタリア)、バイエルン・ミュンヘン、レバークーゼン、B.V.デュッセルドルフ

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<日本高校選抜(青)対ハンブルガーSV(白)>

 大会は4日間にわたって行われ、2日目のグループリーグの試合を観にいきました。初日の試合は観ていませんが、日本高校選抜は地元のデュッセルドルフと対戦し0-1で負けたようでした。2日目、ハンブルクやアイントホーフェンと対戦し結果的には負けてしまいましたが、1日目よりも動きはよくなったらしく、観ていて得点するチャンスは十分にありました。このあとブレーメンとも対戦しましたが、結局、日本高校選抜はグループリーグで1勝もできず終わってしまいました。シーズンを通して戦っているクラブチームと比べると、選抜チームはまとまって準備する時間が少ないのでチームとして戦うのに苦労したと思います。チームでボールを奪いに行くタイミングやスムーズな攻撃がまだチームとして機能していないように思いました。

 それ以外には、日本はフィジカル的にもっとトレーニングが必要だと思いました。いいプレーをすると思いきや、プレッシャーの中で簡単なキックミスやトラップミスが他のチームと比べて目立ちました。また、ボール際で取れそうなところでタックルが出なかったり、寄せが甘かったりしました。手足の長さやもさることながら、これから上のレベルに進むには、もっと体幹を中心とした筋力トレーニングで強く安定したプレーが必要だと思います。

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<カメルーン(緑)対B.V.デュッセルドルフ>

 地元B.V.デュッセルドルフはファンの応援の下、カメルーンのU19と対戦しました。カメルーンには身体能力が跳びぬけている選手はいたが、戦術やテクニックの面ではまだそこまでのレベルではなく、チームとしてもあまりまとまりがありませんでした。先制点はデュッセルドルフで、後半にカメルーンが同点に追いつき、試合は1-1の引き分けに終わりました。カメルーンはその後レバークーゼン、ユベントス、ミュンヘンに3連敗し、この試合の勝ち点1だけでグループリーグを終えました。

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<日本高校選抜(白)対PSV(水色)>

 グループ1からはバイエルン・ミュンヘン、レバークーゼン、グループ2からはアイントホーフェン、ブレーメンがそれぞれ準決勝に進出しました。決勝はバイエルン対レバークーゼンになり、グループリーグの対戦では4-1とバイエルンが大勝したものの、決勝ではレバークーゼンが1-0で勝利を収め雪辱を果たしました。レバークーゼンは2003年ぶりの優勝。

 日本がワールドカップで惨敗し、オシム監督が代表の指揮を執るようになって、日本人らしいサッカーという言葉をよく耳にするようになりました。今回、改めてそのように思いましたが、それ以前にもっともっと国際レベルで標準となっているサッカーを知らなければいけないとも思いました。昔、あるメジャーリーガーが日本のプロ野球でプレーをした時、「日本の野球は、野球に似たスポーツだ。」と言っていたそうです。これは日本のサッカーにも当てはまることだと思います。
 「1つの国しか知らないということは、1つの国も知らない」と誰かが言っていましたが、外のものと比べることをしなければ、自分たちのいいところも悪いところも本当の意味でわからないと思います。文化にしても何にしても、日本であたりまえにやっていることが、海外では違う場合もあるということを自分も体験しました。短い期間では表面的なことしかわからないかもしれませんが、大会に参加できた選手たちは少しでも感じるものがあったと思います。