「ベルンの奇跡」や「アクセルの災難(Der bewegte Mann)」などで知られている人気映画監督ゼンケ・ヴォルトマンの新作ドキュメンタリー映画がついに封切りとなりました。なんでもこの映画は、W杯中のドイツ代表チームを密着撮影したもので、試合直前にロッカールームで選手を鼓舞するクリンスマンやら、選手の寝起きシーンまでしっかりと記録されているというのだからファンにとってはまさしく垂涎モノ。「萌え」という便利な表現がドイツにはないようですが、こういうお宝シーンはまさに国内ファンにとっても「萌え~」なのでしょう(ああ、この概念をどうしたら独逸の人たちに分かってもらえるのだろう・・・)。10月3日のドイツ統一記念日にはベルリン・ポツダマ-広場にてプレミア・イベントが開催され、監督や出演者の選手はもちろんのこと、メルケル首相やベルリン市長のクラウス・ヴォ-ヴェライト(通称ヴォ-ヴィ)と錚々たる顔ぶれ(といっても肝心のクリンスマンは欠席だったそうですが)が大集合!逆に、蹴球になんて何の興味もないんだけど、という人には、この大々的な宣伝もコンセプトも何もかもいやらしい商業主義に見えることでしょう・・・と思いきや、売上げはSOS子供の村に寄付します、なんて宣言しているのだから抜け目ないというかなんというか。とりあえず観に行ってみるか、という気持ちに大抵の人がなるわけです。


あのシュバイニーことシュバインシュタイガーは、

あの映画を観たとき、鳥肌が立ったよ。ゼンケは本当にいい仕事をした。僕たちは映画館で何度も爆笑したよ。この映画はきっと、多くの人に感動を与えると思う

なんて本音かどうかはともかくインタビューに答えているので、その真相を確かめにアレキサンダー広場のCUBIXに行ってきました。



そして、映画を観て一言。

「観てよかった~」

★★★★☆です。「ドイツ・夏のメルヘン」なんて無難でありきたりなタイトルはこの映画に勿体ない!

見どころはなんといっても各試合前後のミーティング、昂揚した選手の顔とクリンジーの熱弁。あたかも自分が選手の一人になったかのよう。試合中のシーンはかなり強引にカットされているので、もう少し見せてくれてもよかったのに、と思いましたが(私個人的には得点が入った時の、クリンジーのオーバーリアクションがもう一度見たかった涙)、対ポーランド戦のオドンコウの猛ダッシュとか、対アルゼンチンのペナルティキック、それを守った鉄壁レーマン、得点王クローゼの活躍など、ミニマムに重要なシーンは押さえているので、悪くないのでは。その他、普段のトレーニングやミーティングなど、地味に努力を積み重ねている様子も共感を呼びます。どうせ仲間内で撮られ合って喜んでるだけじゃないのォ~、なんて観に行く前は意地悪くも疑っていた私ですが、ファンに媚びてる様子も(わりと)少なく、被写体もそれほどカメラを気にしていないようで、わざとらしくない。最近、映画DVDを買うとおまけについているメイキング・オフ特集のほとんどは明らかにファンを意識したものですが、この映画はいい感じにドキュメンタリーらしさが出ています。



難を言えば・・・・不必要に長いインタビュー。これをもう少し短くしてもよかったのでは、と思います。というわけで全体として星四つ。派手すぎるプレミア・イベントは金儲け的な臭いを漂わせてしまい、逆効果かも。映画自体はよく出来ているので、ちょっとでもW杯を観ていた人にはお薦めです。そして、あの手の映画は臨場感あってこそ楽しめるものだから、やっぱり映画館の大画面+高音質という環境で観るのがベスト。というわけで、この映画はそのうち日本でも公開されるんでしょうか。されるといいですね。ドイツ在住の皆さんは、どうぞ迷わず観に行って見てくださいね。

後記:

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トーマス&パートナーズとは?
ベルリンの若手法律家、ラファエル・トーマスにより創立されたベルリンを活動拠点とするコンサルティング会社。NHKからの委託で番組制作、通訳などを行うほか、最近では黄金の20年代音楽で知られるドイツの国民的人気歌手、マックス・ラーべの日本初公演をオーガナイズした。日独アーティストや企業の海外活動のマネージメントから、2006年W杯関連の仕事まで幅広く請け負う。

URL: http://www.thomas-and-partners.de/

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